Cardano Summit日本語まとめ

Shogo_m_i
Sep 27, 2021

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9月25日−26日の2日間にかけて実施された今年の”Cardano Summit”。NFTーGameを組み合わせたようなバーチャル空間で実施されたカンファレンスとなり、参加者は自分のアバターでバーチャル空間を移動しながらカンファレンスに参加する、未来型のオンラインイベントとなりました。

カンファレンスに関する日本語のコンテンツが少ないようなので、以下、メモを取ったものからいくつかのポイントをまとめるので参考まで。

<Charles Hoskinsonの開幕基調講演>

・(ロブスターの人形Loganを持参したCharles登壇、場所、Wyoming)日本版のEthereumを作ろうと大阪に集った人々によって、Cardanoは2015年2月に始動。その時の素晴らしいアイディアは、いま、全世界でもっとも名の知れた暗号資産/ブロックチェーンプロジェクトのひとつ(One of the most prominent cryptocurrency blockchain project in the entire world)になった。

・今回のサミットには、世界100か国以上から80,000人が登録。Cardanoは、”resilience (困難から立ち上がる力)”を持ったプロジェクト。色々言われたが、我々はここにいて、成長し続けている。Cardanoは、世界を変えるためのツール。

・世界人口の70%は30歳以下。彼らデジタル・ネイティブは我々より遥かに耐性のある組織を作るだろう。そこにCardanoが使われたら嬉しい。それが、Cardanoに関わる我々が追い求め、可能な限り世界中を訪れている理由。これが、世界で最も安い送金手数料や最高の保険、最も信頼性の高い投票システムになるのだ。

・流動性について話そう。$5mの企業、マイクロIPOを扱う能力を備えた効率性の高い証券取引所は、実験的にケニアやエチオピア、ルワンダ、その他多くの国で実施されていくだろう。何十億、何兆億の資産が生まれ、世界中が真似をしたいと願う。そして、そのためには我々のようにならなけれいけない、と。誠実さ、包括的な説明責任、透明性、我々が可能にする全てのことが求められる、システムを変えるこのムーブメントに参加しなくてはならない。

・芭蕉やヴォルテールといったロードマップを進めなければいけない。メインチェーンのプログラミングモデルは進化している。開発者体験をより良くするために日夜努力が進められ、旗艦的なアプリケーションが誕生する。より最適化された、Shellyやゴーギャンに関するワークも進む。現在、世界中で12の開発会社がCardanoのコア・インフラに関わっている。

・ヴォルテールのポイントは、エコシステムが恒久的に人々(コミュニティ)の手にあることを確証するもの。これはすでに入口に来ているが、プロトコルのパラメーターは、完全にコミュニティが管理しなければならない。SIPプロセスはより強固になり、特にスマコンレイヤーで基準となるプロセスを作らなければいけない。皆とCardano憲章を作るのだ。DNAのように細胞に残る記憶のように、レジャーに記憶していくのだ。

・(ここから新しいパートナーの紹介、以下、今回発表されたパートナーシップについては別記する)

・(締めに際し)コミュニティが自分に人間性を改めて信じる力をくれた。解決できない問題などなく、超えられない山はないと教えてくれた。21世紀は20世紀より素晴らしいと信じさせてくれる。我々がすべきことは、世界を変えること。素晴らしいことに、我々はそのためのツールを手にした。あらゆる場所の全ての人のために。

<今回発表されたパートナーシップ>

Cardano FoundationのCEO、Frederik Gregaardは以下のようにコメント:

「新らしいエコシステムパートナーは、気候変動、NFT、DeFi、デジタルIDなど、今日のグローバル社会の最前線にある、さまざまな懸念や可能性に取り組むことを通じて、我々のビジョンの達成を助けてくれるだろう」

Dish:フォーチュン250企業。2014年からBitcoinを採用。19mのユーザーを抱えるテレコムプロバイダーの1つ。Cardano FoundationとDishは8mの顧客に対し、テレコム業界で初となる、電話を通じたデジタルIDの提供を行う。

Veritree:ブロックチェーンを活用し、透明性の高い植樹管理プラットフォームを提供する企業。植樹団体の活動を支援することを目的とし、SaaS(Sustainability-as-a-Service=サービスとしての持続可能性)を提供。Cardanoとの連携により、透明性、不変性、監査可能な森林再生データを発展させ、地球環境の改善に努める。

Rival:Esportsのリーディング企業のひとつ。特許取得技術によって、スポーツチームとメディアアセットを、世界中のゲームオーディエンスと繋げている。Cardanoとのパートナーシップにより、NFTマーケットプレイスや、ファン特典戦略などが提供される見込み。Rivalのクライアントには、NFLのシアトル・シーホークスやNBAのデトロイト・ピストンズ、英プレミアリーグのアストン・ヴィラやワトフォードなどが含まれる。

UBX:フィリピンのUnion Bank of the Philippinesが運営する金融テックベンチャー。オンチェーンのDeFiを活性化させることが目標。

Aid:Tech:ブロックチェーン技術を活用し、金融、決済、保険のためのIDソリューションを提供するアイルランドの企業。Cardanoは、技術指導を通じた支援を行う。また、パートナーシップを通じ、信頼性の高いプロセスで大量の取引に対応できるようにする。

(余談ですが、私は、2017年冬にMITでのカンファレンスの後、アイルランドのDeloitte主催のカンファレンスでAid:Techとご一緒させてもらい、その際に、すでにシリア難民への金融仲介をなくした寄付サービスの実証実験を成功させていたことに、非常に感銘を受けました。その頃から色々な場面で、ブロックチェーンのユースケースとしても紹介させてもらっています)

Chainlink:イーサリアム上に構築された分散型オラクルネットワーク。開発者にいとって安全なDeFiアプリケーションを作るための、スマコンの構築支援を行う。

<アフリカ>

Cardanoはかねてよりアフリカを重要な市場に位置付けており、今回のサミットでもアフリカにフォーカスしたアジェンダや話題もひとつのポイントに。

John O’Cconor、IOのアフリカオペレーション・ダイレクター:

・DeFiの開発は、セーフガードの提供。より安く、フェアで簡単にアクセスできるもの。アフリカがCardanoにとって極めて重要なのは、大陸レベルで人口成長率が世界最速というだけでなく、イノベーションやテックが日常的に興る場所だから。例えば、ケニアのMPesa(電子マネー・決済システム)は、国内の支払いの80%を占めるに至る。

・ブロックチェーンは、アフリカでもっとも早く採用されると考えている。エチオピアの教育省とのディールでは、教育のために、5mのブロックチェーンベースのデジタルIDを作るとしていた。これにより、成績のトラッキングや教育従事者のリソースの配分を円滑に行うことができる。この世界で初めてのモデルは、他国にも転用できるもの。

・Cardanoは、それを有さない人々に対して経済的アイデンティティを供給するブロックチェーンシステムを構築する。伝統的な銀行が地方の人々に金融サービスを提供しないのは、したくないからではなく、コストがかかりすぎるから。Cardanoは安価なソリューションの提供を目指している。これにより、多くの人がグローバルな経済システムの一員になれる。

・ブロックチェーンベースの投票システムの開発も進めている。いま、CardanoのCatalyst Fundを通じて、こういうプロジェクトの支援も展開している。自分はケニアにあるが、IOは、今年ケニアや南アにも拠点を拡大したい。1月、2月にはガーナでPlutusを学びたい人のために開発者トレーニングコースを実施。こうした行為が、アフリカ大陸における将来への投資やコミットメントにつながる。

(余談ですが、私は、2018年のエチオピアで、このJohn O’Connorと2人でミートアップを行い、エチオピアにおけるブロックチェーンの可能性について、若手デベロッパーやスタートアップ経営者の皆さんに対してお話ししました。)

児玉さん:2日目の目玉で登場したEmurgoのCEO、児玉さんは、DeFi、NFT、ブロックチェーン教育の分野におけるCardanoエコシステムの拡大のために、$100mの投資を行うことを発表。

Emurgoは、Emurgo AfricaとEmurgo Venturesの2つを用いて、アフリカへの集中的な投資を進める。すでに、3つのプロジェクトへのシードラウンドの投資を実施しており、今後、一層の拡大が見込まれています。

この3つのプロジェクトは

・Adanian Labs:アフリカのCardanoベースのテックインキューベーター

・Adaverse:アフリカのCardanoベースのテックインキューベーター

・MilkomedaM1:Cardanoとレイヤー1プロジェクトをつなぐ、dcSparkサイドチェーンプロジェクト

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NFTやDeFiなどは、改めて。

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Shogo_m_i

Founder and Director of Muse.Finance, a DeFi project to liberate staked assets enabling users' participation in lending and yield faming platforms.